電子契約はどこまで普及する?役所は無理でしょ

コロナ禍で問題になったのがハンコをつくだけのための出社。これが契機で脱ハンコ、電子契約に一挙に進むか!と言うと、そうは思えない事情が。

企業間の契約であれば、確かに電子契約でOK。電子契約にすれば収入印紙を貼る必要もないですし。電子契約の方がいろいろな意味で有利です。

しかし我が社のように政府機関とか、地方自治体が相手だとどうか?まず政府機関は契約書にそもそも収入印紙を貼る必要がありません。契約相手となる我々の側だけ貼る必要があるのです。

さらに、電子認証には役所には受け入れにくい問題が。それは、電子認証を受けるためには第三者機関を通すわけですが、そこで契約書や契約日時などが記録されてしまうこと。

「そんなの当たり前じゃん。そうしなければ改変されてしまうでしょ。」

と普通は思いますよね。でも役所の契約は「改変したい」ことがよく生じるのです。どういうことか?

例えば契約開始日になっても契約書そのものができていない!当然口約束のままで仕事を始めて、契約書はバックデートして契約開始日以前の日付を書き入れなくてはなりません。紙の契約書であれば、日付を契約開始日以前にしておけば、何の問題もなし。ちょっとくらいの遅れならば問題になりません。知られていないですが、こうした遅れは結構頻繁に発生するのです。

こうした事情がありますから、本当は一番に紙の契約書をやめなければいけない役所が、一番紙の契約書から離れにくいのではないか、とにらんでいます。