人的責任・リスクを負う

段々事業が軌道に乗り出すと、徐々に人手が足りなくなります。事業規模の拡大にともない、経理・労務など事務処理などの負担軽減、営業、製造、販売などの各機能に人が必要になってくるかもしれません。するとサラリーマン時代には経験しなかった、「人を雇用する」責任が生じます。これが脱サラ組だとなかなかマネージするのが難しいところです。どのように採用するのか、契約条件は?、各法律は?など細かいことにも気を払い、従業員が気持ちよく働ける職場環境の維持や、はたまたセクハラ対策も考えなければなりません。さらには、業績が好調時ならいいけれど不調になればリストラをしなければならない側になります。考え方によっては、リストラする側よりリストラされるほうが心苦しくないかもしれません。

対策:

  • ともかく、業績が安定していない間、あるいは人事・労務に疎い間は、アウトソーシングを考える。例えば派遣会社にスタッフの派遣を依頼することをまず検討すること。派遣会社のマージンが高いと、ここでケチってはいけません。派遣会社では、各職員の健康診断、有給、雇用契約、セクハラ対策など、システマティックに対応していて、起業したての会社にとっては頼れる存在です。万が一派遣先の誰かがセクハラした場合に備えて、派遣スタッフの相談専用ラインを設けていて、なるほどなぁ、これぐらいしないと会社運営の責任ははたせないな、と勉強しました。ちなみに私の会社では女性の派遣スタッフさんにきていただいていますが、セクハラの疑いがかかるかもしれない唯一の男性は社長。ちなみに、私の夫なので、複雑な気もしますが、大事なことです。
  • それでも職員を採りたい場合、採用には時間と手間をかける。会社理念や社長の方針をしっかりと説明し、共感する人材を採用すること。自社の職員を採用したいならば、人事や労務の法制などしっかり勉強し(あるいは専門家に委託相談して)、業績低迷時に自分がスタッフを切らなければならないことを想定し、責任を認識して採用すること。
  • 雇用条件を、事業レベルとマッチさせること。1年後の業績がかなりあやしければ、年単位の契約も考える必要あり。終身雇用として、彼・彼女の人生を背負えるかどうか、肝に銘じること。
  • 従業員満足を常に考えること。給与や福利厚生だけでなく、配属先の配慮、仕事の自由裁量度、研修制度、職場環境、職場の人間関係マネージメント、職場内のコミュニケーションの円滑化、など常に考えていくことです。得にサービス業を営業される方は、お客さんが接するのが従業員となるので、常にこれを考えていく必要があります。

従業員満足を優先する経営の参考書は「本を読む」サイトに紹介してあります。